書籍・DVDレビュー

【書籍レビュー】使える売買システム判別法 確率統計で考えるシステムトレード入門

この記事の所要時間: 343

使える売買システム判別法 (現代の錬金術師シリーズ)

(出版:パンローリング 著者:山本克二 価格:3,024円 kindle版:2,100円)

オススメ度:★★☆☆☆

概要

本書では、”投資システム分析家”の肩書きを持つ著者が、確率統計の手法を駆使して売買システムの実力を計る手法を紹介されています。エクセルにトレードの損益結果を入力するだけで、MT4自動売買のEAやミラートレーダーのストラテジーの真の実力を見極め、最強のポートフォリオを作ることができるようになります。

構成

  • 目次
  • 第1章 システムトレードの魅力
  • 第2章 システムトレードの課題
  • 第3章 システムの真の実力を知る
  • 第4章 システムの変調を発見する
  • 第5章 戦略的な資金管理の考え方
  • 第6章 リスクを予測する
  • 第7章 リターンを予測する
  • 第8章 より精密なポートフォリオの作り方

主な内容としては、偶然性を排除してシステムの真の実力を知る方法、大損をする前にシステムの変調を素早く察知する方法、事前にリスクを予測し、複数のシステムを用いて破綻しないポートフォリオを作る方法など、すべて基本的なエクセルの知識さえあれば簡単にできるものばかりです。

感想

こちらの書籍はミラートレーダーを始めるにあたって購入しました。確率統計の観点から売買システムの実力を測定するための手法が各種紹介されており、エクセルさえあれば簡単に数値を求めることが出来るようになります。私のような数学アレルギー人間にはどうせ理解できないだろうと恐る恐る読み進めてみましたが、意外なほどに分かりやすく解説がされており、最後までとても興味深く読むことが出来ました。私のような者を念頭に置いて書かれているようで、専門的な難しい話は思い切って割愛し、簡潔で分かりやすい言葉で説明してあります。必要なデータは売買履歴だけなので、ミラートレーダーからダウンロードしてエクセルシートに貼り付けるだけです。システムトレード全般が対象なので、ミラートレーダーだけでなく、MT4用のEAでも、手動で行っている自分のルールを検証するのにも役立ちます。

どこを読んでも、目から鱗の連続でした。確率統計という分野をほとんど知らなかった私としては、FXの新たな可能性が開けてきたような気分になりました。『少し未来が予測できる魔法の裏技』をゲットした気分になってウキウキしたものです。

しかし、実際にしばらくミラートレーダーで使ってみると、なかなか期待したとおりには行かないものでした。まず、確率統計についての知識もないままなので、算出された数字の意味もよくわからず、どこまで信用していいのかが分からない点。たとえば、連敗が続いている時に確率統計上の数値を信じてシステムを動かし続けるには、確率統計に対する信頼がなければメンタル的に厳しいものがあります。ナンチャッテ知識だけの確率統計を駆使するのは、竹槍部隊のようなものだと思いました。

また、システムのアップデートに対応できない点。ミラートレーダーのストラテジーも市販のEAも、頻繁にアップデートされます。そうすると、蓄積されてきたデータはパーになってしまいます。この本で紹介された手法が実際に使える場面が意外と少ないことに気づきました。

そして最も重要な点ですが、インヴァスト証券『シストレ24』で本書の著者のスキルを駆使してストラテジー選択された『山本克二流ユニット』というものがあったのですが(ユニットを選択するだけで、複数のストラテジーで構成されたポートフォリオごと選択できる)、そのユニットの成績が常にマイナスで非常に悪かった点です(気がついたら、このユニットはなくなっていました)。結局、本書の教えを最大限に活かしたとしても、勝てるかどうかはブラックボックスだったようです。

まとめ

私が使いこなせなかっただけなのかもしれませんが、いずれにしても、資金管理など、確率統計より先に学ぶべき事はたくさんあるような気がしました。

システムトレードをある程度経験されている方が、スキルをブラッシュアップするための参考にはなると思いますが、最初から頼るべき本ではないと思います。

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