【書籍レビュー】タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門

この記事の所要時間: 353

タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門

(出版:パンローリング 著者:バン・K・タープ)

オススメ度:★★★★☆

 概要

著者は『魔術師の心理学』で有名なタープ博士。スーパートレーダーをモデル化してその秘訣を伝授するのが博士の得意技ですが、本書でも”スーパートレーダーになるための自己改造計画”とキャッチフレーズにあるように、一般的なトレーダーがスーパートレーダーになるために必要なメンタルやマネジメントを指南してくれます。

と言っても、『魔術師たちの心理学』と要素自体は同じなのですが、本書の方が要点を絞ってまとめられているので、『~心理学』の入門編 として先に読みたい一冊です。

構成

  • 序章 常に利益を上げ続けるための5つのステップ
  • 第1部 自己改善――すべての基礎になる最も重要な要素
  • 第2部 ビジネスプランの作成――市場で成功するための手引書
  • 第3部 自分がトレードするそれぞれの市場タイプに合うトレーディングシステムの開発
  • 第4部 ポジションサイジングの重要さを理解する
  • 第5部 トレーディングパフォーマンスを最適化するためのそのほかのアイデア

感想

『ポジションサイジング入門』というタイトルからは、一冊まるまるポジションサイジングのことばかり書かれているのかと思われますが、まったくそんなことはなく、ポジションサイジングは本書の5部構成のうちの一つに過ぎません。ただ、これまであまり重要視されていなかったポジションサイジングにスポットを当てたタイトルがキャッチーなので、興味を惹かれた方も少なくないでしょう。

著者は『魔術師たちの心理学』のタープ博士であって、博士の主張することは基本的には変わっていません。ただ、『~心理学』の方は情報量が膨大で、役に立つことからどうでもいいことまでがぎっしりと詰まっているのに対し、本書は重要な点が絞られている分、圧倒的に理解しやすいです。本書を読んでみて興味があれば『~心理学』の方に進めばいいし、既に『~心理学』の方を読んで理解している方は本書を読む必要はありません。

いずれにしても、海外の投資本は値が張るものが多い中で、どちらも3000円程度(kindleなら2090円!)というのはお財布にも優しく、ダメ元で読んでおいて損はないでしょう。

本書は初心者よりも、高い授業料を払い続けている人や一度退場した人向けだと思います。要するに、”自己改造”しないとヤバイ方向けですね。

初心者ほど手法やテクニックのような”儲けるための近道”を知りたがりますが、本書ではそういった近道にはほとんど触れられません。むしろ著者は「ランダムエントリーで十分勝てる」論を主張しており、エントリー方法には関心がない方です。それ以上に重要なのがメンタルやポジションサイジングであって、手法は人それぞれだから自分で考えろ、というのが著者の変わらぬスタンスです。大儲けしているスーパートレーダーたちも実は地道な努力の成果なのであって、近道は存在しないのです。

私もかなり授業料を払ってから一念発起して勉強するようになり、今ではR倍数やポジションサイジングはトレードに欠かせない要素となっています。ただ、これはタープ博士だけが言っていることではなく、海外の投資本には普通に書かれていることばかりで、あちらのトレーダーにとってはごく常識的なこと。不思議なことに、日本ではこれを教えてくれる人はいません(多分、小次郎講師くらいでは?)。

専門家の予想や材料だけでギャンブル感覚のトレードをしていた頃にこの本を読んでも、チンプンカンプンでした。しかし、追い込まれた状況になってから藁をも掴む思いで読んでみると、いかに今までやっていたことが間違っていたかを痛感させられました。

メンタルの項目についてはもっと優れた本が他にたくさんあると思いますが、R倍数とポジションサイジングについては頑張って取り組んでみた方がいいと思います。なかなか安定して勝てないトレーダーには、ぜひオススメしたい一冊です。

姉妹本のレビューです↓

【書籍レビュー】新版 魔術師たちの心理学

2014.08.20

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